2016.07.23 BLOG
夢の中・・
ヘルシンキへ向かう列車「アレグロ号」の車窓に映る森林が少しずつその面積を広げていくにつれ、夢のような非日常にもいよいよ終わりが告げられるのを実感せざるをえない・・。300年の間繁栄を極めたロマノフ王朝社会に突然招かれたような錯覚にも陥ったサンクトペテルブルグでの4日間。
去る7月19日アルビオン社の創立60周年の記念式典がロシアの旧帝国首都で開催され、ともに祝う幸運を得ることができました。
モスクワ経由、乗継ぎ時間を含めると15時間近くの飛行機の旅でありましたが、ホテルに向かうバスから眺める街並は、現地20時近くという時刻にも拘らず昼間のような明るさのなかに、既に何とも言えない北国の古都の雰囲気をあらわし、長旅の疲れをいちどに吹き飛ばすのでした。
ペテルブルグの都市形成の主な要素のひとつとなったと言われる「ネヴァ川と運河のなだらかなライン」は、もちろんその全容をうかがうことはできないとしても、1時間余りの運河クルーズは何とも言えない美しい人工の風景を堪能させてくれました。
そして、圧巻は午後に臨んだ「エルミタージュ美術館特別貸切り鑑賞」。女帝カテリーナⅡ世が専用“隠れ家(エルミタ-ジュ)”として建てたと言われる宮殿であり、現在300万点以上を所蔵する世界三大美術館のひとつ。
この美術館の大きな魅力のひとつとしてイタリア美術品の豊富なコレクションがあると言われ、美術品に対する知識や興味に乏しい私どもにも親しいレオナルド・ダ・ヴィンチの「ブノワの聖母」の実際に目の前で見る柔らかくて温かい聖母の表情に深く心癒されるのでした。
そしてそんな所蔵美術品だけでなく実際の住居としたロマノフ王家の各部屋とインテリアに目を奪われる度に、現地人ガイド・ナスチャの甘く可愛いなかにも、プロしての厳しさのある流暢な日本語が次の鑑賞ポイントへの移動を急かします。
翌日は午後から、この旅のメインイベント「アルビオン社創立60周年記念式典」。
それはサンクトペトルブルグからバスで約1時間、緑豊かな庭園とカラフルな建物に囲まれたエカテリーナ宮殿に於いて行われました。
テーマパークと見紛うような夢のある門、そして広大な広場の向こうにはブルーを基調としたロココ建築の外観が広がります。
踊り場に置かれた一対の天使の像に迎えられながら一歩中に入ると、ウワサ通り、いや想像以上の“金ピカ”が・・。
正しい名称は分かりませんが、「金の間」「青の間」「緑の間」「叙勲者の食堂」「壁一面数百の絵画が飾られた絵の間」など贅を尽くした55の間。部屋から部屋へ続く絢爛な回廊・・。
そして、その極みとも思える「舞踏会大広間」での式典が始まりました・・。
その他、「イサク大聖堂の拝観」「エルミタージュ大劇場でのアルビオン特別バレー公演」など、多くの心に深く刻まれる貴重な体験をすることができました。機会があればまた詳しく記したいと思います。
こんな素晴らしい幸運に巡りあうことができたのはひとえに日頃よりご愛顧をいただく皆さまのお蔭と深く感謝申し上げます。
<おしろいやきき 杉本>
- PB